2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧
7 結論:夢を越えて 日米の大学のマネジメントのありかたを比較してみると,それぞれに利点と欠点がある事がわかる.,高度成長時代において,日本的経営の下での企業にもたれて運営されてきた日本の大学は,アマチュアの経営が十分に成立する余地があり,そ…
6 教員と事務職員の夢から現実への道 ここまで見てきたことをまとめれば,日本の大学は,新卒一括採用と自前主義により運営されてきた.これは日本的経営を採用する企業にもたれてこそ実現できた運営方法であった.これからの日本の大学は,同じような運営を…
5 オープン化を拒む日本 ここまでは,日本の高等教育機関の構成員についての言わば通時的な課題を考察してきた.この課題を解決するためには,同時に,今日の共時的な課題,すなわち,日本の大学は,世界の大学の一部を構成しているという,日本の高等教育機…
4 夢見る教員と事務職員 図 2 名目GDPおよび同成長率の推移(文献[10]) 日本的経営は,経済成長を前提として成立していた.ところが,日本はバブル崩壊とリーマンショックによって突然に高度成長時代の終わりを迎え,今日,「失われた10年」はいつの間にか2…
3 教員貴族と下僕としての事務職員の時代 日本における高等教育機関の教員と事務職員の関係は,大学という閉じられた組織の中での関係としてあったわけでは無い.高等教育機関自身も当然のことながら,それを取り巻く経済社会との関係に支えられながら存続し…
2 マーティン・トロウのモデルにおける大学経営 日本における高等教育機関の教員と事務職員の問題を考えるための導きの糸として,トロウモデルを取り上げる.大学の未来を占うものとして,盛んにもてはやされたトロウモデルは,今日ではすっかり忘れられた存…
サンチョ・パンサよ,どうやら運命の女神は,われわれが望んでいたよりもはるかに順調に事を運んで下さるとみえるぞ.ほら,あそこを見るがよい.三十かそこらの途方も無く醜怪な巨人どもが姿を現したではないか. セルバンテス作(牛島信明訳)『ドン・キホ…