Seishi Ono's blog

Fugaces labuntur anni. 歳月人を待たず

夏目漱石の「猫」のラテン語文

この逸身喜一郎の「ラテン語のはなし」には、夏目漱石の「吾輩は猫である」の中に出てくるラテン語の話が紹介されている。「女は友情の敵」"Quid aliud est mulier nisi amicitiae inimica"の典拠は、逸身も発見できなかったとあったので、グーグルの書籍検索にかけたら、こんな文章が出てきた。

Quid aliud est mulier nisi amicitiae inimica ineffugabilis poena; necessarium rnalum, naturalis tentatio, desiderabilis calamitas, do- inesticum periculum, delectabile detrirnentum, malum naturae, bono colore depicta.'?―Maleus Maleficarum, Lugd. 1620, p. 63.

魔女裁判の本だったのね。とすれば「女」ではなく「魔女」ではないのかな。そうなると全体の意味も全く違ってくるのか?

実際、さらにあのチョーサーの「カンタベリー物語」もヒットしたが、ここでも魔女の話になっている。ほんとかな。

St. Chrysostom has an even longer series of epithets for the wicked woman: "Quid aliud est mala mulier nisi amicitiae inimica"

とある。

ついでにいえば、チャイコフスキーには「聖ヨハネス・クリソストムスの典礼」という曲がある。

完訳 カンタベリー物語〈上〉 (岩波文庫)

完訳 カンタベリー物語〈上〉 (岩波文庫)


チャイコフスキー:聖ヨハネス=クリソストムスの典礼 Op.41

チャイコフスキー:聖ヨハネス=クリソストムスの典礼 Op.41

  • アーティスト: チャイコフスキー,ミコラ・ホブディヒ,キエフ室内合唱団,ヴィクトル・オヴディ(Ten.),パヴロ・メジュリン(Bs.)
  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 1998/07/01
  • メディア: CD
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