Seishi Ono's blog

Fugaces labuntur anni. 歳月人を待たず

休日はLinux II

休日まで仕事は持ち込みたくはないので、自宅ではLinuxを使うことにしている。私の場合、本当はBSDの方が手慣れているのだが、世の中のたくさんのアプリケーションがついてきてくれない。

ところが、一昔前ならともかく、今日Linuxをずっと使っていて、Windowsより便利と思えることはあまりに少ない。

まず、各種のX Window MangerでWindowsを凌げるものはないし、むしろWindowsを追いかけているに過ぎない。

ポインティングデバイスのコントロールも今ひとつで、カーソルが思わぬ時に画面を飛び回ることがある。昔はこれが当たり前のことだったが、最近のWindowsでは良く研究されているらしく滅多に起こらない。

アプリケーションでは、以前にも書いたがLaTexも縦書きでのDVI出力はそのままではできない。先日Ubuntuフォーラムに掲載されていたlibfreetype6をソースからコンパイルすることで縦書き対応になることを知って試してみたが、dviとPostScriptは正しく出力できるようになったものの、PDFがdvipdfではだめである。フォント埋め込みをしないpdfdvimxを使わなくてはならない。

Texをきれいに出力したくて、フォントもきれいにしようかと考えて有料のフォントでも入れようとすれば何万円もする。結局Windowsより高い買い物をすることになる。

Firefoxも問題である。Windowsに比べれば表示が崩れるが、これもフォントの問題が絡んでいるのだろう。一方で、たとえばshockwaveも見えないからwineでWindowsのfirefoxを動かそうなどととすれば、今度はFontが足らず表示しきれない。

ubuntuではGoogleのストリートビューがデフォルトでは表示されない。この原因はオープンソースのショックウェーブであるswfdecが対応していないからであって、これを削除した上で、flushplayer-nonfreeを入れないといけない(デフォルトでは同居した場合にswfdecを使ってしまうから)。

また、かな漢字変換は、Anthyががんばっているが、それでもMS-IMEに見劣りする。それで先日ATOK X3を入れてみた。パッチを当てたり、面倒な操作をしているうちにインストールに失敗し、OSからインストールし直すなどを何度か繰り返す羽目になった。これはうれしくない。

そういう苦労を楽しむのがLinuxだというのならそれでもいいし、一理もあるが、これでは実用性には耐えられないだろう。

さらにいえば、emacsでATOKを使おうとしたらこれが単漢字変換しかできない気配である。がんばれば何とかなるのだろうがその元気はないので、anthyをデフォルトにして、atokのFEPを時々呼び出すということをしているが、面倒なことはいうまでもない。

ただ一つ、emacsだけは、ATOKの問題点を別にすれば、さすがにWindowsよりLinuxでの使い勝手に軍配が上がる。X Windowなんか無くてもemacsがあればいいや、という世代なので、まあこれ一つだけも十分メリットがあると思いつつ使っている。

もっとも最近のLinuxユーザはLaTeXもemacsもあまり使うことがないと聞いた。後は何が楽しいのかそうなると私にはもうわからない世界である。

後は、古い人間なので、wineでいろいろなものが動くということに今更ながら感心した。昔のwineはソリティアもできなかったのに。私は将棋が好きなのでbonanzaを動かしてみたが、ランタイムライブラリを拾ってくる必要はあったものの、問題なく動いたのはうれしかった。

そういえば、Windows7RCも使っているが、前評判の軽い動作というのは真実とは思えないが、使い勝手は悪くはない。

こうなると、まだ当分Windowsの天下が続くのだろうか。OSも、そろそろもっとおもしろいものが出てきても良さそうだと感じているのだが。