Seishi Ono's blog

Fugaces labuntur anni. 歳月人を待たず

教授がコンピュータスクリーンに置き換えられる日

Cathy Davidsonの論説If We Profs Don't Reform Higher Ed, We'll Be Re-Formed (and we won't like it)は、なかなかセンセーショナルではある。

そこで語られていることは、この1年間のMOOCsのブームで膾炙されたことをまとめたに過ぎないのだが、やはり目の当たりにすると考えさせられる。彼女はそうなる理由を4つ挙げている。

  1. 「高等教育のしかも質の良い教育を受けたい」と思う人はたくさんいるが現在の大学では受け入れ余地はわずかしか無い
  2. 就学希望を叶えるためには、高等教育機関の学費は余りに高い

ここまでは、TEDでのCouceraのKollerの発言そのままである。そしてこれに対してオープンオンラインコースがチャレンジするのだが、このオープンオンラインコースの優位性について以下のように指摘する。

  1. オンライン教育は非営利法人が適合的であり、それは従来の大学では無い
  2. 今までの教育方法は、幼稚園から大学まで余りに古い

この限りでは、まあ、わかりやすい話ではある。

しかし、わかりやすい話であるだけに、高等教育機関も教員も抵抗勢力となり、なかなかこの壁を突破することは容易ではないだろう。ただ、いつまでも、旧態依然のスタイルが生き延びるとは思えない。すでにカーンアカデミーは、壁を突破したと言うより「すり抜けて」一つのスタイルを確立したように見える。

正面から突破するもよし、すり抜けて土台を崩すもよし、時代は高等教育機関の変革に大きく舵を切っているのだと思いたい。

Cathy Davidsonは、「大学教員はコンピュータスクリーンに置き換えられるべきものであれば置き換えられるべきである。」と述べている。その通りだと思う。