Web2.0を言い出したのは、Tim O'Reillyであり、調べてみるとこれは2004年のことだったようだ。瞬く間にこの言葉はバズワードになり、たくさんの○○2.0のバリエーションが生み出された*1。まことに便利な言葉だったわけだが、もう8年も経ってしまってそろそろドアを閉じるときではなかろうか。
Tim O'Reilly on What is Web 2.0?
Web2.0はYahooやGoogleに代表される優れた検索エンジンのおかげでWebの世界に革新が起こった事がベースとなっていると思われるが、結局それは豊富な資金力に支えられ、internet特有の一人勝ちビジネスに貢献した。利用者の利便性は確かに夢のように向上したので、それは利用者とGoogleのWin-Winの時代であったと言える。
しかし、結局は莫大な資金のあるものが常に一人勝ちするというInternetの陳腐なパラダイムがいよいよ明確になってしまったという気がしないではない。Windowsも斜陽ならば、Appleも危ういことに今はなっているように見える。
しかし、次の時代はもうそこまで来ている。そもそもWWWという技術そのものがTim Berners-Leeが1989年にそのアイデアを思いついてから20年以上経っているのである。Internet上のユーザーインターフェィスは次の時代に入る頃ではある。
Webの仕組みそのものは無くならないが、そこに画期的なUIが付加されることで全てが変わって見える。我々はそれをe-bookと予想し、それをe-portal2.0というなんとも陳腐な名称をつけてみたが、どうだろうか。そもそも○○2.0と銘打った段階で既成の枠内にしかいないことを吐露したようなものだが、それはご都合主義になって一旦脇に置いておく。
AppleのiBook Authorは、どこまで意識的かわからないが、それを見据えたツールのように見える。まあ、これも歴史が答えを我々に教えてくれるだろう。
それよりも気になるのは、e-bookかどうかは別として、次の時代もまたこうしたInternetのツールは、一人勝ちのための道具に化すのだろうか。そろそろそういうパラダイムさえも崩れそうな予感はあるのだが。
もっといえば、internetの一部であるInternet自身の限界も次の10年では見えてくるかもしれない。IPV6はいけていないし、この先どんな新しいパラダイムが登場するかは予断を許さないし、まあ、それだけでも老いの楽しみではある。
*1:かくいう私もe-portal2.0という言葉を考えたのだった。そして、その時e-をつけざるをえなかったのは、portal2.0はすでに台湾の会社が使ってしまっていたからである。