もう20年も前、1990年代頃の事だったが、米国に留学する少女にpineの使い方を教えたことがある。留学先の学校のメーラがpineだったからだが、私も当時はあまり使ったことはなく、教えるより調べなければならないことが多かった。当時elmというMUAを使っていた私には、メニュー中心の操作はなんだか半端なユーザインターフェィスに思えた。
その後も少しいじってみたことがあるが、なかなか日本語対応も進まず、CUIのメーラとしてはmuttなどが知られていて、日本では忘れ去られたMUAだ。今日は、新しい MacBook Air が来たものの、風邪気味で体も頭も思い通りに動かないこともあり、ほかの作業をあきらめ、この懐かしいMUAのことを思い出していじってみた。
名称もいつの間にか単なるpineからalpineに変わっている。商標権の問題があったのだろう。感心したことに日本語対応は、見違えるほど進んでいた。 utf-8の普及も一因だと思う。
参考までにalpineのWebページを以下に紹介しておく。
さて、alpineの設定は、例によってメニューから行えるが、私には、あまりに面倒なので直接設定ファイル (~/.pinerc)をいじることにする。
personal-name=Seishi ONO user-domain=(ドメイン名を書く) smtp-server=(送信サーバを書く。ポート番号やユーザ名もここで指定できる) inbox-path=(imap受信サーバをユーザ名とともに記述)
gmailの例では、
user-domain=gmail.com smtp-server=smtp.gmail.com:587/tls/user=username@gmail.com inbox-path={imap.gmail.com/ssl/user=username@gmail.com}INBOXこんな感じになるだろう。
もしpopで取り込むならinbox-pathにpop3のパラメータを追加する。inbox-path={imap.gmail.com/pop3/ssl/user=username@gmail.com}INBOX
こんなところが基本であるが、サブフォルダが見えるには、サーバ側がUW-imapをつかっていないと一工夫が必要である。
folder-collections= ラベル名、サーバ名とともにパスを記述する
ここで、courie-imapのようにドットでINBOX以下にサブフォルダが配置される場合は
INBOX.のような書式で記述するしgmailのように mail配下にサブフォルだがあるときはmail/とする。Gmailの例では、folder-collections=main {imap.gmail.com/ssl/user=username@gmail.com}mail/[]のような感じになる。(ラベルとパス名の間に空白が必要なようだ)
この上でfolder-collectionが見えるようにオプションを指定する。
これはさすがにメニューからの操作が早いかもしれない。
feature-list= combined-folder-display, combined-subdirectory-display, expanded-view-of-folders, incoming-checking-includes-total, no-separate-folder-and-directory-entries, no-vertical-folder-list, quell-empty-directories, enable-lame-list-mode
こんなところで一応メールが使えるが、パスワードを設定するのが面倒なので "~/.pine.pwd" *1という空のファイルを作っておけばパスワードを覚えてくれる。パスワードファイルはそれなりに暗号化されている。
メニュー操作に慣れればこれで結構使える。ただ、残念ながら utf7-imap は対応できていないようで日本語フォルダは文字化けてしまう。最初に覚えたMUAがelmとemacs mailな身なので、やっぱりぎくしゃくする。
そういえば、あの少女ももう30歳をすぎて米国で主婦をしている。いつもながら時間が流れるのは早い。
*1:ubuntuなどのDebian系では、"~/.pine-passfile"となっているようである