昨今、メタボ健診の腹囲を巡る報道をいくつか目にした。そもそも腹囲は無意味であるという従来からの指摘と、女子の基準は,90センチからは10センチ減じて80センチにするという話があるようである。
興味深いのは,いずれも最近行われた同じメタボ健診の統計結果から議論されているらしいということである。データ解析は、その見方や手法で結論が変わるという経験はいくらでもあるが、ここまで正反対だとどこかおかしいと感じざるを得ない。
新聞報道もそもそもよくわかっていないまま作成されていることが多く、本当のことはわからないにしても、やはり以前話題にした「統計のウソ」のことを思い出してしまう。
世界的には、メタボにおける腹囲は他の要素と並んで一つの要素に過ぎないが、日本だけはまず腹囲が問題にされしかる後に血圧や糖尿など他の要素がチェックされる。
素朴な見方をすれば、女子の腹囲を80センチにすべしという結果がどのようにして得られたかに興味が行く。どんな解析をすればそういうことになるのだろう。
とはいえ、本当のことはわからない。データの公開は難しいにしても、もう少し解析結果がきちんと公開されると楽しめるのに、と思わぬではない。
統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門 (ブルーバックス)
- 作者: ダレル・ハフ,高木秀玄
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1968/07/24
- メディア: 新書
- 購入: 9人 クリック: 146回
- この商品を含むブログ (113件) を見る