このところ哲学関係の本をまとめ買いをした。ヘーゲル、ニーチェ、フッサールなどからプラトンまで。何となくそういう本に浸ってみたくなったのである。所詮は積ん読なのであるが、何気なくヘーゲルの「歴史哲学講義」を読んだら今更ながら驚いた。
ヘーゲルのゲルマン民族優位主義、ヨーロッパ至上主義は聞いたことがあったような気はするが、これほどのものとは正直言って思わなかった。ヨーロッパ特にドイツの哲学者は往々にしてそういうところがあるのだろう。
私は、ハイデッカーの「ニーチェ」を結構愛読していたが、その途中にほんの一行か二行引っかかるところがある。その起源をまざまざと見せつけられたように思った。「ニーチェ」も「歴史哲学講義」同様講義ノートだが、ふと実際の講義ではもっとヘーゲル的な部分がたくさんあったのではないかという気がした。ハイデッカーはナチス党員であり、積極的にヒットラーを支持したと言われているが、そうした背景はかなり根深い。
ただ「歴史哲学講義」も「ニーチェ」もそれなりに面白い。特にヘーゲルのそれは明快であって、読む者を飽きさせないと私には思える。もちろん、その一方で差別主義には深く考えさせるものがある。
- 作者: ヘーゲル,長谷川宏
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- 作者: マルティンハイデッガー,Martin Heidegger,細谷貞雄,輪田稔,杉田泰一
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