Seishi Ono's blog

Fugaces labuntur anni. 歳月人を待たず

新しい年

還暦も2年ほど過ぎて迎える正月に珍しいものは無いのだが、今年は年賀状も書かずに英作文に専念しなくてはいけない事情があり、コツコツとやっている。案外捗ると思うこともあれば、半日無駄にしてしまうこともある。そもそも英作文などはここ1,2年の経験しか無いのだから仕方ない。思えば昨年は60の手習いよろしく未経験のことを得意の知ったかぶりをして随分やらされたが、そろそろ限界も感じている。有能な将軍が元帥に昇格して無能になったという有名な逸話を聞いたときに、確かにそういう人は何人か出会ったが、自分にそういうときが来るのだろうかと思っていたものである。しかしこの頃は「自分もそろそろねえ」とふと思うときがある。50代は思いもしなかったが、60歳を過ぎると次があるわけでも無くすっぱり隠居する以外選択肢があまりないことを実感する一年でもあった。

さて、昨年はそういう一年であったが、今年は個人的な事情も少し良くなるような気もしている。まあ、年の初めは楽観的であり、年の瀬は結局思ったようにはならずに悲観的になるのは、毎年のことかも知れないが。

個人の状況はそれでも良いが、もっと広いところに目を向ければ、内田樹の今年の年初のブログはなかなか共感できる。2015年の年頭予言 (内田樹の研究室)

国破れて山河あり。そこに残る「山河」すなわち文化的蓄積がこれまでのそしてこれからの課題でもある。さて、そこで何が出来るかなというささやかな野心もまだあるかな。