私が20代の頃は、まだワープロも普及していない時代ですべての書類は当然手書きだった。その頃憧れていたものにシステム手帳があった。当時も今もシステム手帳は高価である。仕事を始めてしばらくしてシステム手帳を購入し、何はなくてもこれだけは持ち歩いていた。何かアイデアがひらめいたときにはいつもそこに書き留めておこうと思ったのである。
休日に外出するときでさえ手帳だけを裸で持ち歩いていたので、相手に呆れられたこともあった。
しかし、その実手帳はいつも空白のままだった。アイデアなんてそんなに湧いてくるものでもないし、湧いてきたときには書き留めることを忘れていたりする。そういうわけで、手帳の外側は手垢でまみれていたが、中身はいつも真っ白だった。
Willcom NSが出たときに、当然気を引かれたが、何とも半端な仕様のように見えたのでそのまま忘れていた。しかし、この半年ほどNSのたたき売りをしているのを見かけて購入してみる気になったのである。そうは言っても専用のシステム手帳と併せて3万円を超える出費である。
使い勝手は最初から期待していないし、もともと手帳につけることなんかないので、飾りみたいなものである。最近は、会議の時の暇つぶしには今までブラックベリーをいじっていたが、Webの閲覧は少々不便だったのでいいおもちゃかもしれない。おっと、どこかの「紳士のたしなみ10箇条」の最後は「会議中にブラックベリーをしない」というのがあったっけ。
ものすごく割り切った使い方をすればそれなりに楽しめる。ブラックベリーは、メール機能は満足に使わせてもらっているが、ブラウザは結構つらいという私の個人的な事情もある。専用のブラウザ端末を持ち歩くという選択肢はあるが、デバイスをたくさん持ち歩くのは何となく悔しい。詭弁に過ぎないとわかっていながら、システム手帳なら多少なりともいいわけは立つ。
今のところの不満は、ブラウザで認証するタイプの Wi-Fiを利用するときには不便を囲うところにある。Willcom NSのメインブラウザである jigブラウザは JavaScript を理解しないので こちらでは認証機能が働かない。そこで、サブブラウザである NetFrontを起動しなくてはならない。ところが、NetFrontはNetFrontで、これに対するNSの特有の制約があるということになってる。 一応認証はできるが、手間がかかる。
ま、使われないシステム手帳の代わりとしては、使われないNSを持ち歩いてもいいではないか。
WILLCOM NS [WILLCOM W-Value] WS026T1K
- 出版社/メーカー: WILLCOM
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